SIREN好きを自称し始め、はや10年。とうとう購入しました。
SIREN MANIACS!!!!

とにかくヤバかったですSIREN MANIACS。今回はホラーゲーム「SIREN」の公式解説本、SIREN MANIACS(サイレンマニアックス)のヤバさを必死に伝えさせてください。
文字多いです。
目次
ホラーゲーム「SIREN」とは
SIRENとは、2003年にソニーから発売されたPS2のホラーゲーム。
アクション性が高いアドベンチャータイプのホラーゲームで、高すぎる難易度と奥深すぎる世界観で今なお根強いファンを獲得し続ける名作です。かくいう私も、発売後10年近く経ってからSIRENの世界観に首ったけになったファンの1人。
2018年・2019年に開催されたSIREN展には整理券を貰いにオタク友達と始発で並び、アーカイブ(ゲーム作品内に登場するアイテムたち)の現物を見学したり限定グッズを買いまくったりと大満喫させてもらったこともあります。本当に最高だったよSIREN展。コロナでなくなっちゃってるんだけれどまた絶対行きたい。
そんなSIRENがどんなゲームかというと、ざっくりと内容はこんな感じ。👇
オカルト好きの男子高校生・須田恭也。恭也は、かつて大量虐殺が起こったという都市伝説に興味を持ち、現場である「羽生蛇(はにゅうだ)村」を訪れる。
到着後、恭也は深夜に村人たちが怪しい儀式を行っているのを目撃。その姿を見られ逃げ出す最中に、村中に大音量のサイレンが流れ出す。
すると村の様子が変貌し、山中のはずの羽生蛇村は赤い海に囲まれ、目から赤い液体を流した恐ろしい村人たちが徘徊しだす……。
もう超ざっくりですがこんな感じです。SIRENの舞台は昭和51年の村。和製ホラー特有のじとっとした不気味さや、田舎の閉鎖的な得体の知れなさが、ただ歩くだけで怖いという世界観を引き立てています。
10人の操作キャラクターが織りなす群像劇
SIRENでは恭也を含めて10人の操作キャラクターがおり、それぞれの行動が他のキャラクターのチャプターに影響を与えます。
【他チャプターへの影響例】
「キャラクターA/1日目5:00のシナリオ」で「雑巾を冷凍庫に入れる」の行動でフラグを立てると、「キャラクターB/初日7:00のシナリオ」で「凍った雑巾を入手し、仕掛けを動かす」の行動がとれるようになります。
事前にAが雑巾を冷凍庫に入れておかないと、Bのチャプターでは雑巾関連のイベントが発生しません。しかしAのシナリオ自体は、雑巾を冷凍庫に入れなくてもクリア可能です。
EDを目指すためには、過去のチャプターに戻って行動を改め、適切な未来につなげていく必要があるのです。
敵を回避するための小さな仕掛けから、村の暗部の重大部分にかかわる秘密まで、大小の謎をそれぞれのチャプターごとに協力しながら解いていくのがSIRENの醍醐味。キャラクターごとのチャプターは独立しているため「えっ!あの人の行動が、数時間後にこの人のルートにこうやって影響したの?!」という驚きが最高にアハ体験なんですよね。
まさにバタフライエフェクトのように小さな出来事が積み重なり、少しずつ村にかけられた呪いの謎と黒幕の存在の輪郭が判明していくのです。
時には、さっきまで自分が操作していたキャラが別のチャプターで敵として現れることも……。怖いやら悲しいやら強いやらで情緒めちゃくちゃになります。最高です。
そしてSIRENのダークな世界観に欠かせない要素が、アーカイブ!
SIRENの世界観を補強する「アーカイブ」
SIRENにおけるアーカイブとは、世界観を補強するためのアイテムです。全キャラのチャプターに散りばめられたアーカイブは合計100個で、すべてを入手することでようやく羽生蛇村に何が起こっているのかが見えてきます。
逆に、アーカイブを完全無視で進めると、エンディング後でも「????」となってしまうんですよ。え、なんで村は呪われたの?あいつがやってた儀式は何?あいつが持ってた武器は何?結局あれは誰だったの??と、疑問だらけ。エンディング見たのにですよw
なのでSIRENを楽しむためには、必然的にアーカイブを集める必要があります。アーカイブはゲーム内ムービーを観だけで取れるものもあれば、超シビアなアクション要素をクリアしなければ取れないものまで幅広く、まさに沼。
しかしアーカイブは、村の呪いの全貌を知るためには欠かせない情報の宝庫です。1つ入手する度に広がっていく羽生村の恐ろしい背景が、私たちをどんどん虜にしていくんです~!!
SIRENの世界観は、恐ろしく難解……
そんなSIRENの世界観は、アーカイブをすべて取得してもまだ難しい!!
- 結局、あの人はなぜ呪われたの?
- あのシーンで死んだのは誰?
- あの映像は幻覚?それとも現実?
- あの死体はどこに行ったの? etc…
もうね制作陣の「語りきらない感」が絶妙of絶妙of絶妙なんですよね。普通ゲームとか漫画とかって、最後まで回収しきれてない伏線があったら普通に叩かれるじゃないですか。広げた風呂敷は最後まで畳まんかい!的な。
でもSIRENは違うんですよ。確かに最後まで「あれは何だったんだろう?」「結局正解はどっちなんだろう?」って疑問は残るんです。しかしそれは世界観描写への不満にはならず、想像するための余白として残るんです。
だからこそ今でも議論が起こっていたり、こうして私のような新しいファンも獲得したりなどで、世界観に限界を与えずに存在し続けているんです。完成しないことが完成系みたいな。サクラダファミリアとか横浜駅みたいなゲームなんですよ。
難解なSIRENを徹底解説した本が「SIREN MANIACS」!
そんな難解なSIRENの世界観。残された余白が可能な限り解説されたのが、今回購入した「SIREN MANIACS(サイレンマニアックス)」!!
SIREN MANIACSは、攻略本ではありません。これは大事なことなので重ねて言いますが、ゲームの攻略情報は基本的に一切書かれていません。
キャラクターに秘められた謎、舞台となる羽生蛇村にかけられた呪い、キャラクター同士の行動の影響など、あらゆる舞台設定やゲームの裏側が解説された「解析本」なんです!
SIREN MANIACSにはどんなことが書いてある?

SIREN好きなら(そうじゃなくても)マジで読んでほしいSIREN MANIACS。権利の問題で詳しい内容や中身の画像は記載できませんが、そのサイコーーーーすぎる概要を説明します。売れてほしいんだ俺はもっとSIRENとSIREN MANIACSが!!!(手越構文)
SIREN MANIACS内容①詳細なキャラクター設定
SIRENの世界を彩るおもなキャラクターは、操作キャラ10人と重要キャラ3人の合計13人。性別・年齢・立場もバラバラな彼・彼女らは、それぞれに違う目的で羽生蛇村に集い、呪われた村を探索していくことになります。
13人は同じ村で3日間過ごしますが、行動する動機や同行者の有無、生死の結果も異なります。一人ひとりの性格や行動の動機には詳細な設定が練られており、アーカイブの取得でそれぞれの過去が少しずつ判明していくのです。
SIREN MANIACSでは、キャラクターを操作して敵を倒しているだけではわからない、繊細な心理や思考などが丁寧に解説されています。読み込むほど操作キャラへの没入感が高まり、各キャラクターの結末に感情移入しまくってしまう!キャラ紹介だけで情緒揺さぶってくるのヤバすぎ。なんだこの神ゲー。
SIREN MANIACS内容②13人のキャラクターたちのタイムライン
SIRENの物語の醍醐味は、キャラクター同士の行動が他キャラに影響する複雑性!しかしゲームをプレイしているだけでは、時間軸が混乱しがちなんですよね。「あれ?さっきのA君のチャプターって、Bさんがあの行動をする前?後?」のように、チャプター同士の互換性がわからなくなると途端に頭がパンクします。
そこでSIREN MANIACSは、ゲームの舞台となる3日間をキャラクターごとに再構成。13人のキャラクターたちが「いつ、どこで、何をして、誰にどのような影響を与えたのか」が一目でわかるタイムラインが見られます!
これ本当に天才です。プレイ内で行動の内容が確実に判明している時間帯だけではなく、ゲームに描かれていない「チャプター間の空白の時間帯」も、分単位ですべてを解説してくれているんです。
主人公・須田恭也のシナリオを例に挙げます。恭也には「初日8:00」にステージが用意されていますが、彼がシナリオ上で次に登場するのは「初日18:00」のムービー。SIREN MANIACSでは「この10時間、恭也は何をしていたのか」が完全に解明されるんです。
これは面白いですよ。13人の移動・休息・睡眠を含めた約72時間の全スケジュールが、縦に13人分、横グラフ形式で整理されています。詳細な3日間のトータル、怒涛の計39ページ!
さらには開発陣の直筆メモも挟まり、読み応えたっぷりで最高、最高、最高です。ありがとう。本当にありがとう。
SIRENでは、自分が今プレイしているチャプター以外でも、他のキャラクターが別の場所で何かしらの行動をとっています。あらゆるキャラクターの「今どこで何をしているのか問題」が視覚的に理解できるタイムラインは、マジモンの天才的アイデアです。
SIREN MANIACS内容③アーカイブ全100種解説
個人的にSIREN MANIACSの真骨頂といえるコンテンツがこれ!ゲーム内で入手できる100種類のアーカイブが、現物画像付きで解説されています!
アーカイブといえば、SIRENの世界観や羽生蛇の設定を知るためにはどれも欠かせない要素。キャラクターの過去や行動原理なども描かれており、知れば知るほど本編の不気味さが加速していきます。
普通、怖いものって正体を知れば怖さが薄れるじゃないですか。SIRENのアーカイブでは「知るほど怖い」というスペシャルな体験ができちゃうんですよ!
また面白いのが、99%のアーカイブが「単体で見ても怖くない」んですよね。たとえば、ただの図書カードとか、雑誌とか、学生証とか、手紙とか、レコードとか。羽生蛇村の歴史関連の資料も多くありますが、その他は「生活のどこにでもありそうな普通のアイテム」なんです。
しかしアーカイブの内容とゲーム本編を照らし合わせることで「あの子は、この手紙を書いた後にああなっちゃったのか……」や「この図書カードに書かれている名前ってもしかして……」など、気づきたくなかった事実に嫌でも気づいてしまいます。
その瞬間、自分の背後に誰かが立っているかのような、ゾッとする恐ろしさが生まれるんですよね。ゲーム以外の場所でも、何度でも新鮮な怖さや発見を与えてくれる。それがSIRENの魅力であり、SIREN MANIACSの「ヤバさ」なんです。
SIREN MANIACS内容④制作の裏側紹介
ゲーム制作の舞台裏話は、SIREN MANIACSならではのコンテンツ。めちゃくちゃ語りたいんですが、ここの内容が最も、中身をバラさずに伝えるのが難しい……!!
概要としては、制作に使われていた機材や、実際の役者さんや小道具を活用した撮影風景、モデルとなった村のロケなど、ファンが涙を流して喜ぶ内容となっています。もうここは言いたいけれど私言えないから読んで!!頼む
SIREN MANIACS内容⑤公式小説「羽生蛇村異聞」
羽生蛇村異聞とは、SIREN公式サイトで連載されていた公式小説です。ゲーム本編ではハッキリ描かれていない羽生蛇村の過去の事件や、一部アーカイブの伏線を回収する内容になっています。
ネタバレを防ぐため詳細な内容は伏せますが、外伝小説ではありながら本編の世界設定に密接に関連する内容も多く、なかにはゲーム中に登場した謎の回答となっているものも。
つまりSIRENの世界は、【ゲーム本編+アーカイブ+羽生蛇村異聞】を網羅することで、ようやく全体像が見えてくるのです。
そのため羽生蛇村異聞はファンにとって欠かせない情報源でしたが、2022年にネット上で閲覧不可に……(涙)。現在では有志が転載しているのみ。お願いだから復活してくれよォ!!
しかし!SIREN MANIACSには、かつて公式サイトで連載されていた羽生蛇村異聞1~4話が掲載されています。ネットで読めなくなった今、羽生蛇村の全貌を知りたい人は買うしかないだろってことです!
さらに!SIREN MANIACSでは、ネットにも未掲載の羽生蛇村異聞5話が掲載されています。5話の内容は、メインキャラクターのなかでも重要度の高い「ある人物」にまつわる、驚愕のストーリーが描かれます。
5話の結末の衝撃は、読み終わった後に呆然としてしまうほどです。ゲームの外伝小説って、本編の蛇足になったり、舞台設定を補強したりする程度の役割であることが主だと思うのですが、羽生蛇村異聞5話はマジでワケが違います。
SIRENのキャッチフレーズは「どうあがいても絶望」。まさに言葉通りの、期待を遙かに超える最高の絶望が出迎えてくれます。これだからSIRENクラスタやめらんねぇよ。
▼裏表紙には、作品内に登場する「屍人文字」で書かれたテキストが。SIRENクラスタはこれ普通に読めます。私も読めます。怖いね。本書を読めば、ここに何が書いてあるのかがわかります!

SIREN MANIACSを読み切っても、まだまだある「謎」の深さよ…
SIRENの世界を文字通り徹底解剖してくれるSIREN MANIACSを読み終わったとしても!実はまだまだ謎な部分が残されていたりするんですよね。なんでだよ!!たまんねぇなおい!!
でも勘違いしないでください!何度でも言うけれど、
SIRENの「謎が残される感覚」は本当に気持ちいい!!
いつまでも羽生蛇村の世界を漂っていられるような、うれしい感覚が確かにあるんですよ。

たとえば私たちって子どもの頃、魔法とかが本当にあると思ってた。雲は食べると甘いし、妖精やモンスターだって身近にいると思ってた。
でも大人になっていくなかでさ、現実が見えてくるわけ。魔法なんてものはないし、どんな超常現象にも背景にあるのは化学だけ。雲は食べれないし、サンタは親だった。
世界は知れば知るほど面白くなることもあれば、逆だってある。知らなければよかった、知らないままでいたかった。剣や魔法の世界が現実に存在しているって信じられていられれば、今だって私は指先ひとつで風だって起こせたし、花壇に咲くお花や妖精たちとおしゃべりできていた。
私たちはいつまでも「ミステリアス」に焦がれている!それはきっと、大人になるほど。「わからないもの」が欲しい、「知りたいもの」が欲しい。この世界に魔法はないよ。そんなのわかってる。でも、あってほしいとは、思うじゃん!
SIRENは、ゲームクリアで30%の謎がわかる。アーカイブ全取得で60%、羽生蛇村異聞を読んだら65%。そしてSIREN MANIACSで、95%の謎がわかるって体感がある。
残された「5%」、この尊さったらないよ!この永遠に明かされない5%のために、私たちは100%を求めて、いつまでも手に入らない5%に振り回されて、光悦するわけ!
未プレイ勢もぜひ!SIREN MANIACS、本当に「良い」です!
今回は、ホラーゲームSIRENの公式解析本「SIREN MANIACS」をご紹介しました~!
最後まで読んでくれてありがとう……!!
ご存知の人も多いと思うんですが、SIRENって本当に激ムズホラゲなんですよ。ここまで読んでくださった方のなかには、プレイしたけれど途中で投げちゃった~って人も多いんじゃないかなぁ。
SIREN MANIACSは、クリアした人はもちろん、未プレイ勢にも挫折勢にも、実況動画勢にもぜひ読んでほしい一冊。読み物として本当に面白い、というか、ひとつのゲームの世界観にここまでドップリ浸かれる経験ってなかなか無いよ。
SIREN MANIACSはかつてプレミア価格が付いていたらしいんですが、昨今のファンによってなんと販売10年後の2022年に重版(ヤバすぎ)。なので今は定価で買えます。私も定価で買った!
ゲーム関連本にしてはちょっと高価かもしれませんが、こうしてブログで情熱をぶつけたくなるほどめちゃくちゃおすすめの本です。
今回はここまで!SIRENは、良いぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!